2018年度 素粒子論研究室 セミナー・文献紹介

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セミナー

目次

  1. 2018/07/13「Hybrid Higgs inflationとDisformal変換」佐藤 星雅 氏
  2. 2018/06/15「曲がった時空におけるのミュウオンの異常磁気能率」森嶋 隆裕 氏
  3.  
  4. 2018/06/08「COBAND 実験に向けた極低温電荷積分型前置増幅器の研究開発」若狭 玲那 氏
  5.    
  6. 2018/05/18「ミューオン原子中での荷電レプトンフレーバー非保存過程」上坂 優一 氏
  7. 2018/04/20「Extension of the Standard Model by a gauged lepton flavor symmetry and leptogenesis」浅井 健人 氏

内容案内

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日時
2018年07月13日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
佐藤 星雅 氏 (早稲田大)
題目
Hybrid Higgs inflationとDisformal変換
概要
Higgs inflationはHiggs場をインフラトンと仮定したinflationモデルである。宇宙背景放射の観測結果と整合するために重力とHiggs場が非最小結合するモデルが盛んに議論されてきた。これまでのモデルは一つの非最小結合に注目したものが多かった。しかし高エネルギーにおいて非最小結合が1種類しか導入されないことは自明ではない。そこで本講演ではHiggs場の質量項と運動項の両方に重力が非最小結合したモデル構築し、その観測量を評価する。また解析の際にdisformal変換を使用し、その有効性も議論する。
講演内容
日時
2018年06月15日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
森嶋 隆裕 氏 (名古屋大)
題目
曲がった時空におけるのミュウオンの異常磁気能率
概要
地球の重力場中を運動するフェルミ粒子の異常磁気能率 g−2 に対する一般相対論的効果を考察した。平坦時空における磁気能率 μ_m , 地球の重力ポテンシャル φ = −GM /r を用い、地球重力場による曲がった時空の中を運動するフェルミ粒子に対して、一般相対論を考慮したディラック方程式を適用すると、地上で観測されるフェルミ粒子の磁気能率は実効値 μeff ≃ (1 + 3φ/c2 ) μ_m として記述できる。つまり、地上で観測されるフェルミ粒子の異常磁気能率 a≡g/2−1は場の量子論的効果による補正とは別に、|a| ≃ 2.1 × 10−9 程度の大きさの補正を受けることになる。例えばミュウオンの場合を考えてみる。最新の報告によれば、理論値と実験値の差は aμ(EXP) − aμ(SM) = 28.8 (8.0) × 10−10 (3.6 σ) であるが、これは平坦時空を仮定した比較であり、地球重力による曲がった時空の一般相対論的効果は考慮されていない。そこで、背景時空として Schwarzschild 時空を仮定し、また、ミュウオンの異常磁気能率の精密実験手法 (Storage Ring 法) を想定して、一般相対論的な曲がった時空の効果を含む post-Newtonian オーダー O(1/c2) の項まで考慮に入れた場合のミュウオンの異常磁気能率の実効値を求め、理論値と実験値の比較・検証を行った。
講演内容
日時
2018年06月08日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
若狭 玲那 氏 (筑波大)
題目
COBAND 実験に向けた極低温電荷積分型前置増幅器の研究開発
概要
標準宇宙理論から宇宙背景ニュートリノの存在が予言されており、間接的な証拠はあるが直接的な検出は行われていない。ニュートリノが質量を持つならばニュートリノは輻射光を伴って崩壊すると考えられる。COBAND (COsmic BAckground Neutrino Decay search)実験では宇宙背景ニュートリノをニュートリノ源とし、ニュートリノの崩壊光を検出する。この実験が成功すれば宇宙背景ニュートリノの直接的証拠となり、崩壊光のエネルギーからニュートリノの質量を決定することが可能である。予想される崩壊光のエネルギーは 25 meV ととても小さいため、COBAND 実験ではニオブとアルミニウムを用いた超伝導トンネル接合素子検出器(Nb/Al-STJ)を用いて検出する。Nb/Al-STJ は実験的要求値を満たしているが、冷凍機の配線由来のノイズにより目的としている遠赤外光の単一光子測定には未だ至っていない。この解決として、SOI 技術を用いた極低温で動作する前置増幅器の研究開発を行っている。本講演では電荷積分型前置増幅器である試作5号機の性能評価と、その結果を受けて新たに設計を行った試作6号機について発表する。
講演内容
pdfファイル
日時
2018年05月18日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
上坂 優一 氏 (大阪大)
題目
ミューオン原子中での荷電レプトンフレーバー非保存過程
概要
荷電レプトンフレーバー非保存(CLFV)過程は、新物理探索の有用な探針のひとつである。 これまでに様々なCLFV過程が探索されているが、いずれも未だ発見の報告はなく、素粒子模型に対して厳しい制限が与えられている。 本講演では、従来のCLFV探索を概観した後、2010年に探索が提案された「ミューオン原子中のCLFV過程μ^-e^- -> e^-e^-」に注目する。 この過程は従来探索されてきたCLFV過程と並び、有力な新物理探索の候補となると考えられている。 ただしその遷移確率を定量的に計算するためには、原子核Coulombポテンシャル中でのレプトン波動関数の歪曲を考慮する必要があることが、これまでの類似の計算で知られている。 実際にμ^-e^- -> e^-e^-過程に対して波動関数の歪曲を取り入れた計算を行うと、原子番号の大きなミューオン原子の場合で遷移確率が1桁程度変化することを述べる。 またCLFV相互作用に依って歪曲による影響に定性的な違いが現れることを利用し、観測可能量から素粒子模型を判別するための方法について議論を行う。
講演内容
pdfファイル
日時
2018年04月20日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
浅井 健人 氏 (東大)
題目
Extension of the Standard Model by a gauged lepton flavor symmetry and leptogenesis
概要
U(1)_{L_mu-L_tau}といったレプトンフレーバーに依存したU(1)ゲージ対称性は,アノマリーを生じることなく標準模型のゲージ群に加えることのできる対称性の一つとして,ミューオンの異常磁気能率やフレーバーアノマリーといった様々な標準模型を超える物理との関連がこれまでに議論されてきた.一般に,このようなゲージ群による拡張を行った模型では,ニュートリノの質量行列に強い制限が課せられる.そしてその中には,前述のU(1)_{L_mu-L_tau}のように,ニュートリノの質量行列の逆行列において2つの成分がゼロとなるtwo-zero-minor構造を実現するものが存在する.この講演では,そのような質量行列を実現するU(1)による最小の拡張模型において,質量行列に課せられる制限を解析することで,最も軽いニュートリノの質量m_1とDiracおよびMajoranaCP位相がニュートリノの3つの混合角と2つの質量の二乗差の関数として一意に求まることを示す.続いて,そのようにして求めたパラメーターを用いてニュートリノの質量和やニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊に関するMajorana有効質量を計算し,最新の実験による制限との比較を行う.また,レプトジェネシスにおける非対称パラメーターを計算し,正しいバリオン数の符号,および十分な大きさの非対称パラメーターを実現するパラメーター領域が存在するかを確認する.
講演内容
pdfファイル

文献紹介

内容案内

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日時
2018年2月23日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
久保田 将広氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
Liouville Correlation Functions from Four-dimensional Gauge Theories
論文
arXiv:0906.3219
日時
2018年1月12日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
久保 宗弘氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
The metal-poor end of the Spite plateau I: Stellar parameters, metallicities, and lithium abundances
著者
L. Sbordone, P. Bonifacio, E. Caffau et al.
論文
arXiv:1003.4510v2
日時
2017年6月30日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
長谷川 健太氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
Locality of Gravitational Systems from Entanglement of Conformal Field Theories
著者
Jennifer Lin,Matilde Marcolli,Hirosi Ooguri and Bogdan Stoica
論文
PhysRevLett.114.221601