2018年度 素粒子論研究室 セミナー・文献紹介

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セミナー

目次

  1. 2019/02/15「The quest for New Physics in the lepton sector: massive neutrinos, cLFV and LNV」Ana Teixeira氏
  2. 2019/01/11「物理屋が生物研究に関わって」坂東 昌子氏
  3. 2018/12/26「θ physics and strong CP problem」北野 龍一郎氏
  4. 2018/12/14「チャージを持ったブラックホールの地平線近傍の物理とJackiw-Teitelboim重力理論について」後藤郁夏人氏
  5. 2018/11/30「深層学習と繰り込み群の関係」横尾 純斗氏
  6. 2018/11/9「Off-shell Higgs effects of a classically scale invariant model in e^+e^-processes」藤谷 佳生氏
  7. 2018/07/13「Hybrid Higgs inflationとDisformal変換」佐藤 星雅 氏
  8. 2018/06/15「曲がった時空におけるのミュウオンの異常磁気能率」森嶋 隆裕 氏
  9.  
  10. 2018/06/08「COBAND 実験に向けた極低温電荷積分型前置増幅器の研究開発」若狭 玲那 氏
  11.    
  12. 2018/05/18「ミューオン原子中での荷電レプトンフレーバー非保存過程」上坂 優一 氏
  13. 2018/04/20「Extension of the Standard Model by a gauged lepton flavor symmetry and leptogenesis」浅井 健人 氏

内容案内

講演ファイルにはアクセス制限があります。

日時
2019年02月15日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
Ana Teixeira 氏 (CNRS researcher, Clermont-Ferrand Univ., France)
題目
The quest for New Physics in the lepton sector: massive neutrinos, cLFV and LNV
概要
Massive neutrinos and leptonic mixing have provided provided the first evidence of flavour violation in the lepton sector, opening a unique gateway to many new phenomena, with an impact ranging from low-energy observables to colliders, as well as cosmology and astroparticle physics. If observed, charged lepton flavour violation (cLFV) is a clear sign of New Physics - beyond the Standard Mode (SM) minimally extended to accommodate neutrino oscillation data. We also comment on other observables, such as those reflecting a violation of total lepton number (LNV). We begin by a brief review of the experimental status of cLFV searches, both at low- and high-energies, and the prospects for the upcoming years. We then consider extensions of the SM which could potentially give rise to observable cLFV signals: following a model-independent discussion, we comment on the prospects of several New Physics models regarding cLFV, with a particular emphasis on low-energy seesaw mechanisms.
講演内容
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日時
2019年01月11日(金) 16:30~–
場所
理学部2号館2階 9番教室
講師
坂東 昌子 氏 (愛知大学名誉教授・NPO法人あいんしゅたいん理事長)
題目
物理屋が生物研究に関わってm
概要
私は2011年3月11日以後、放射線の生体影響の研究を始めました。素粒子論から生物を対象にした研究に転換して、しなければならないことがたくさんあることに気が付きました。 確かに膨大な蓄積データがありますが、物理学の観点から見ると現象の記述に留まっていて、数量化し、数理モデルを構築するという視点がこの分野には欠けています。 当課題の研究の歴史を辿ってみると、生物学と物理学との出会いから始まっています。それは、コペンハーゲンのボーア・シュレディンガー・デルブリュック達物理学者を大いに刺激し、「これこそ、生命の神秘を解くカギになる」と連日熱い議論が戦わされました。ヨーロッパだけではなく、ニールス・ボー アの下で研究に勤しんだ仁科芳雄は、日本で、1937年理研サイクロトロンが稼働するとすぐ、中性子を生物に当てる実験を始めています。 それから半世紀以上が経過し、ミクロレベルの構造がより正確に解明できる時代を迎えた今、新しい目で今一度、ミクロとマクロをつなぐプログラムに向けての探求が必要な時代を迎えています。この流れを受けて最近の放射線生物学に参入した私の冒険をお話ししたいと思います。
講演内容
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日時
2018年12月26日(水) 16:00~–
場所
理学部C棟 1階 3番教室
講師
北野 龍一郎 氏 (KEK)
題目
θ physics and strong CP problem
概要
The theta term in gauge theory has physical effects through the non-trivial topological configurations of the gauge fields. In QCD, the phase is physical if and only if all the quarks are massive. But this question itself is subtle since quark masses are unphysical. We discuss our recent efforts to understand the questions related to the theta term, such as the lattice formulation of the "quark mass" and also what happens at theta=pi in Yang-Mills theories.
講演内容
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日時
2018年12月14日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
後藤 郁夏人 氏 (東大駒場)
題目
チャージを持ったブラックホールの地平線近傍の物理とJackiw-Teitelboim重力理論について
概要
4次元の電荷や磁荷を持ったブラックホールの地平線近傍は近似的にAdS2×S2という幾何になることが知られている。本公演ではその中でも近極限ブラックホールを考え、その地平線近傍のAdS2時空の物理を記述する次元還元された2次元ディラトン重力理論について講演する。その中で近年着目されている理論としてJackiw-Teitelboim理論がある。従来からの問題として2次元AdS時空を記述する重力理論はAdS上の励起状態を記述できないのではないかという懸念があった。Jackiw-Teitelboim理論は賢い方法でこの問題を解決する理論としてAdS/CFT対応の文脈などで近年着目されている。本講演ではどのような条件下でJackiw-Teitelboim理論が4次元のブラックホールから次元還元された理論として現れるかを議論する。また異なる状況下ではJackiw-Teitelboim理論とは異なる2次元ディラトン重力理論が立ち現れうることを議論する。それらの古典解である2次元AdSブラックホール時空についてその熱力学的諸量を計算する。4次元の電荷を持ったブラックホールと磁荷を持ったブラックホールの間には電磁双対性があることが知れられている。2次元の次元還元された理論の間の関係の中に4次元の電磁双対性がどのように隠されているのかを議論する。時間があれば応用として近年AdS/CFT対応の文脈で着目されているCFTの「計算複雑性」という量子情報論的物理量の重力双対概念である「ホログラフィックな計算複雑性」という量を2次元のディラトン重力理論に対して計算し議論をする。
講演内容
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日時
2018年11月30日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
横尾 純斗 氏 (KEK)
題目
深層学習と繰り込み群の関係
概要
近年,機械学習は様々な分野で成功を収め,自然科学の分野でも重要な研究手法 となりつつある.この機械学習の大きな成功は,特に,深層学習という機械学習 の手法の確立によるものである.深層学習の著しい有用性は,深層学習が入力デ ータの特徴を効率よく抽出できるという特徴抽出能力によるものと考えられてい る.この深層学習の特徴抽出の理論的理解は十分には得られていないが,一つの 可能性として,物理学における繰り込み群との関連が示唆されている.そこで我 々は,深層学習と繰り込み群の関係を明らかにするため,Ristricted Boltzmann Machine(RBM)と呼ばれる深層学習のモデルを用いて,2次元イジングモデルのス ピン配位を学習させ,RBMによる温度のフローを構成した.その結果,様々な温 度の配位を学習したRBMによるフローとして,臨界点を固定点に持つものが得ら れた.相転移や臨界点という情報を陽には与えていないのにも関わらず,固定点 として臨界点が現れるのは示唆的である.本講演では,この結果をもとに,RBM がスピン配位の特徴をどのように掴むのかについて議論したい.
講演内容
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日時
2018年11月9日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
藤谷 佳生 氏 (東北大)
題目
Off-shell Higgs effects of a classically scale invariant model in 𝑒^+ 𝑒^− processe
概要
古典的スケール不変な拡張模型は量子効果により自発的対称性の破れを起こす.この真空は標準理論の真空とは異なる構造をもちそれに伴いヒッグスの観測量に差異をもたらす.ここでは模型の紹介から,将来のe^+e^-コライダーによってどのように検証されるかを議論する.
講演内容
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日時
2018年07月13日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
佐藤 星雅 氏 (早稲田大)
題目
Hybrid Higgs inflationとDisformal変換
概要
Higgs inflationはHiggs場をインフラトンと仮定したinflationモデルである。宇宙背景放射の観測結果と整合するために重力とHiggs場が非最小結合するモデルが盛んに議論されてきた。これまでのモデルは一つの非最小結合に注目したものが多かった。しかし高エネルギーにおいて非最小結合が1種類しか導入されないことは自明ではない。そこで本講演ではHiggs場の質量項と運動項の両方に重力が非最小結合したモデル構築し、その観測量を評価する。また解析の際にdisformal変換を使用し、その有効性も議論する。
講演内容
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日時
2018年06月15日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
森嶋 隆裕 氏 (名古屋大)
題目
曲がった時空におけるのミュウオンの異常磁気能率
概要
地球の重力場中を運動するフェルミ粒子の異常磁気能率 g−2 に対する一般相対論的効果を考察した。平坦時空における磁気能率 μ_m , 地球の重力ポテンシャル φ = −GM /r を用い、地球重力場による曲がった時空の中を運動するフェルミ粒子に対して、一般相対論を考慮したディラック方程式を適用すると、地上で観測されるフェルミ粒子の磁気能率は実効値 μeff ≃ (1 + 3φ/c2 ) μ_m として記述できる。つまり、地上で観測されるフェルミ粒子の異常磁気能率 a≡g/2−1は場の量子論的効果による補正とは別に、|a| ≃ 2.1 × 10−9 程度の大きさの補正を受けることになる。例えばミュウオンの場合を考えてみる。最新の報告によれば、理論値と実験値の差は aμ(EXP) − aμ(SM) = 28.8 (8.0) × 10−10 (3.6 σ) であるが、これは平坦時空を仮定した比較であり、地球重力による曲がった時空の一般相対論的効果は考慮されていない。そこで、背景時空として Schwarzschild 時空を仮定し、また、ミュウオンの異常磁気能率の精密実験手法 (Storage Ring 法) を想定して、一般相対論的な曲がった時空の効果を含む post-Newtonian オーダー O(1/c2) の項まで考慮に入れた場合のミュウオンの異常磁気能率の実効値を求め、理論値と実験値の比較・検証を行った。
講演内容
日時
2018年06月08日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
若狭 玲那 氏 (筑波大)
題目
COBAND 実験に向けた極低温電荷積分型前置増幅器の研究開発
概要
標準宇宙理論から宇宙背景ニュートリノの存在が予言されており、間接的な証拠はあるが直接的な検出は行われていない。ニュートリノが質量を持つならばニュートリノは輻射光を伴って崩壊すると考えられる。COBAND (COsmic BAckground Neutrino Decay search)実験では宇宙背景ニュートリノをニュートリノ源とし、ニュートリノの崩壊光を検出する。この実験が成功すれば宇宙背景ニュートリノの直接的証拠となり、崩壊光のエネルギーからニュートリノの質量を決定することが可能である。予想される崩壊光のエネルギーは 25 meV ととても小さいため、COBAND 実験ではニオブとアルミニウムを用いた超伝導トンネル接合素子検出器(Nb/Al-STJ)を用いて検出する。Nb/Al-STJ は実験的要求値を満たしているが、冷凍機の配線由来のノイズにより目的としている遠赤外光の単一光子測定には未だ至っていない。この解決として、SOI 技術を用いた極低温で動作する前置増幅器の研究開発を行っている。本講演では電荷積分型前置増幅器である試作5号機の性能評価と、その結果を受けて新たに設計を行った試作6号機について発表する。
講演内容
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日時
2018年05月18日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
上坂 優一 氏 (大阪大)
題目
ミューオン原子中での荷電レプトンフレーバー非保存過程
概要
荷電レプトンフレーバー非保存(CLFV)過程は、新物理探索の有用な探針のひとつである。 これまでに様々なCLFV過程が探索されているが、いずれも未だ発見の報告はなく、素粒子模型に対して厳しい制限が与えられている。 本講演では、従来のCLFV探索を概観した後、2010年に探索が提案された「ミューオン原子中のCLFV過程μ^-e^- -> e^-e^-」に注目する。 この過程は従来探索されてきたCLFV過程と並び、有力な新物理探索の候補となると考えられている。 ただしその遷移確率を定量的に計算するためには、原子核Coulombポテンシャル中でのレプトン波動関数の歪曲を考慮する必要があることが、これまでの類似の計算で知られている。 実際にμ^-e^- -> e^-e^-過程に対して波動関数の歪曲を取り入れた計算を行うと、原子番号の大きなミューオン原子の場合で遷移確率が1桁程度変化することを述べる。 またCLFV相互作用に依って歪曲による影響に定性的な違いが現れることを利用し、観測可能量から素粒子模型を判別するための方法について議論を行う。
講演内容
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日時
2018年04月20日(金) 16:30~–
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
浅井 健人 氏 (東大)
題目
Extension of the Standard Model by a gauged lepton flavor symmetry and leptogenesis
概要
U(1)_{L_mu-L_tau}といったレプトンフレーバーに依存したU(1)ゲージ対称性は,アノマリーを生じることなく標準模型のゲージ群に加えることのできる対称性の一つとして,ミューオンの異常磁気能率やフレーバーアノマリーといった様々な標準模型を超える物理との関連がこれまでに議論されてきた.一般に,このようなゲージ群による拡張を行った模型では,ニュートリノの質量行列に強い制限が課せられる.そしてその中には,前述のU(1)_{L_mu-L_tau}のように,ニュートリノの質量行列の逆行列において2つの成分がゼロとなるtwo-zero-minor構造を実現するものが存在する.この講演では,そのような質量行列を実現するU(1)による最小の拡張模型において,質量行列に課せられる制限を解析することで,最も軽いニュートリノの質量m_1とDiracおよびMajoranaCP位相がニュートリノの3つの混合角と2つの質量の二乗差の関数として一意に求まることを示す.続いて,そのようにして求めたパラメーターを用いてニュートリノの質量和やニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊に関するMajorana有効質量を計算し,最新の実験による制限との比較を行う.また,レプトジェネシスにおける非対称パラメーターを計算し,正しいバリオン数の符号,および十分な大きさの非対称パラメーターを実現するパラメーター領域が存在するかを確認する.
講演内容
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文献紹介

内容案内

講演ファイルにはアクセス制限があります。

日時
2017年10月12日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
柳沼 諒平氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
Residual Local Supersymmetry and the Soft Gravition