2019年度 素粒子論研究室 セミナー・文献紹介

埼玉大学 > 理学部 > 物理学科 > 素粒子論研究室 > 2019年度 素粒子論研究室 セミナー・文献紹介


2019年度のセミナー文献紹介 | 2018年度以前のセミナー

セミナー

目次

  1. 2019/7/5「BelleⅡ におけるタウの研究と粒子識別装置」西村 美紀氏
  2. 2019/6/19「1次元ゲージ理論における2つの相転移温度の温度間隔のD依存性に関するゲージ・重力対応とゲージ・流体対応の反例 」 竹内 紳悟氏
  3. 2019/6/7「Is Symmetry Breaking into Special Subgroup Special?」山津 直樹氏
  4. 2019/5/10「重力波天文学の夜明け」譲原 浩貴氏

内容案内

講演ファイルにはアクセス制限があります。

日時
2019/7/5 (金) 16:30 –
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
西村 美紀 氏 (KEK)
題目
世界最高感度でのμ→eγ探索に向けたMEG II実験における陽電子時間測定方法の研究
概要
MEGII実験は、ミュー粒子が陽子と光子に崩壊する、荷電レプトンのフレーバー非保存現象探索実験である。世界最高感度の探索を行うためは、ビーム強度をあげることとそれにともなって増加する背景事象の削減が不可欠である。同時刻に陽子と光子が放出されるシグナルにたいして、支配的な背景事象は偶発的に陽子と光子が同時刻に放出されたように見えるものであり、それぞれの時間を精度よく測ることは重要である。この中でも、本講演では、陽電子側の時間測定の方法、測定器性能の向上などについて議論する。
講演内容
pptxファイル
日時
2019/6/19 (水) 16:30 –
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
竹内 紳悟 氏 (Duy Tan Univ., Vietnam)
題目
1次元ゲージ理論における2つの相転移温度の温度間隔のD依存性に関するゲージ・重力対応とゲージ・流体対応の反例
概要
 S^1コンパクト化された1次元ゲージ理論においてコンパクト化の半径を変えた時2つの相転移が立て続けに起こることが知られている。一つは閉じ込め・非閉じ込め相転移 (uniform/non-uniform相転移)で、もう一つはGross-Witten相転移 (non-uniform/gaped相転移) である。これらの相転移の温度(コンパクト化の半径の逆数)は1/D展開を行うことで計算出来る。そこで本研究では2つの相転移の温度間隔のD依存性に着目する。そうすると次の振る舞いが確認出来る: ・Dが小さくなるほど2つの相転移の温度間隔は拡がり、 ・Dが大きくなるほど2つの相転移の温度間隔は縮まる  実は重力や流体にもブラックブレーンが切れてブラックホールになる不安定性や例えば蛇口から出て来る水が水滴になる不安定性がある。それらはuniform/non-uniform相転移とnon-uniform/gaped相転移と同様な2つの不安定から成り、上で述べた1次元ゲージ理論における2つの相転移と定性的には同様の振る舞いを示すと考えられている。ゲージ・重力対応とかゲージ・流体対応と言われてるものである。  しかしゲージ理論側と重力や流体側では2つの相転移の温度間隔のD依存性が逆である。本研究ではこの事実を指摘する。ゲージ・重力対応とゲージ・流体対応の反例として興味深い。 ゲージ・重力対応とゲージ・流体対応は少なくとも定性的には成り立っているはずと強く信じられており、対応を支持する様々な具体例が報告されている。また対応が成り立つことを前提に多くの研究も行われて来た。本研究はゲージ・重力対応とゲージ・流体対応が少なくとも相転移温度の温度間隔のD依存性に関しては対応が成り立っていないことを示す具体的反例として興味深い。この研究はarXiv:1712.09261に基づく。
講演内容
pdfファイル
日時
2019/6/7 (金) 16:30 –
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
山津 直樹 氏 (京都大学)
題目
Is Symmetry Breaking into Special Subgroup Special?
概要
 最近大統一ゲージ群の特殊部分群への破れを用いた大統一理論``特殊大統一理論''を提唱した.この理論ではSU(16)対称性の特殊部分群SO(10)への自発的破れなどを用いているが,これまで行われてきたほとんど全ての標準理論 を越える統一模型構築の試みではリー群の正則部分群への破れだけが議論され,特殊部分群への破れは議論されていない.そのため,対称性の特殊部分群への破れは特別なことであると認識されてしまうことが多いように思われ る. ただし,ヒッグス機構や力学的対称性の破れ,オービフォールド境界条件での破れの一般論などにより特殊部分群への破れの例は既にいくつか知られている.具体例として,L.-F.Li('74)による四次元ゲージ理論でのヒッグス機 構によるSU(N)対称性の特殊部分群SO(N)やUSp(N)への自発的破れや,九後-佐藤('94)による四次元の南部--Jona-Lasino(NJL)有効模型を用いたE_6大統一理論でのE_6対称性の特殊部分群F_4やUSp(8)などへの力学的対称性の破れ>などが知られている. 本講演では九後-佐藤('94)と同様の議論をユニタリ群SU(n)の定義表現と二階反対称表現フェルミオンの場合に適用し,対称性の特殊部分群への破れが特別なことではないことを説明したい.本講演は主に九後汰一郎氏(京大基研 )との共著論文arXiv:1904.06857に基づく.
講演内容
pdfファイル
日時
2019/5/10 (金) 16:30 –
場所
理学部1号館5階1534室 (コロキウム室)
講師
譲原 浩貴 氏 (東大 IPMU)
題目
重力波天文学の夜明け
概要
 重力波は一般相対性理論が予言する時空の歪みの波であり、ブラックホールや超新星爆発といった天体現象から発生すると予想されている。2015年9月14日にアメリカに設置された2台のLIGO検出器によって連星ブラックホール からの重力波信号が検出された。その後、2度の長期的な観測運転が行われ10以上もの重力波イベントが報告されている。  2度目の観測運転中には待望の中性子星連星合体からの重力波も検出され、3台の検出器により重力波の到来方向が推定された。世界中の望遠鏡によるフォローアップ観測が行われ、ホスト銀河が同定され、ショートガンマ線バ ーストの観測からr-プロセスの存在も強く示唆された。これらのマルチメッセンジャー観測から、ついに重力波天文学が始まった。  本セミナーでは連星合体からの重力波放射を中心に重力波についてまとめを行い、その検出原理や地上重力波検出器の紹介、これから期待される重力波源やその物理について発表する。
講演内容
pdfファイル

文献紹介

内容案内

講演ファイルにはアクセス制限があります。

日時
2019年7月26日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
寺口 義規 氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
Traversable wormholes in four dimensions arXiv:1807.04726v2
概要
We present a wormhole solution in four dimensions. It is a solution of an Einstein Maxwell theory plus charged massless fermions. The fermions give rise to a negative Casimir-like energy, which makes the wormhole possible. It is a long wormhole that does not lead to causality violations in the ambient space. It can be viewed as a pair of entangled near extremal black holes with an interaction term generated by the exchange of fermion fields. The solution can be embedded in the Standard Model by making its overall size small compared to the electroweak scale.
日時
2019年6月28日(金)
場所
理学部1号館5階1534室(コロキウム室)
講師
平良 優奈 氏 (埼玉大学理工学研究科)
題目
Bound muon decay spectrum in the leading logarithmic accuracy arXiv:1608.05447v1
概要
We compute the dominant, logarithmically enhanced radiative corrections to the electron spectrum in bound muon decay in the whole experimentally interesting range. The corrected spectrum fits well with the results from the TWIST Collaboration. The remaining theoretical error, dominated by the nuclear charge distribution, can be reduced in the muon-electron conversion searches by measuring the spectrum slightly below the new physics signal window.